今日も、無事に帰ろう。
Why
アクションゲームの目的は、たいてい「倒すこと」です。 敵を全部片付けたら次へ進む。倒しきれなければ止まる。 わかりやすい代わりに、途中で拾ったものの意味が薄くなります。 最後に立っていれば勝ちだからです。
宵桜は、そこを入れ替えてみたゲームです。 放課後の教室を出て、魔物だらけの帰り道を抜けて、家で待つ妹のところへ帰る。 道中で拾える食料や薬を持ち帰ると、妹の元気が回復します。 敵は倒さずにすり抜けても構いません。倒しても、手ぶらで帰れば何も増えません。
目的が「倒す」から「持ち帰る」に変わると、同じ操作でも判断が変わります。 あと一体倒せば安全になるとわかっていても、 バッグに空きがなければ、その戦闘には意味がない。 そういう迷いが生まれる形にしたかった、というのが作った理由です。
Features
FAQ
遊べます。画面にタッチ操作のボタンが出ます。ただし技が4つあるので、キーボードかゲームパッドのほうが余裕を持って操作できます。
初日へ戻りますが、それまでに得た成長は残ります。妹が時間を巻き戻すという扱いで、巻き戻すたびに妹の元気を25使います。0になっても復活はできます。
ブラウザのローカルストレージです。同じブラウザで同じURLを開けば続きから遊べます。別の端末やシークレットウィンドウには引き継がれません。
ゲーム一覧に、ブラウザですぐ遊べる小さな作品を置いています。
Design
宵桜のバッグは3枠しかありません。食料は1枠、薬は2枠を使います。 つまり薬を持つなら食料は1つまで、薬を2つ持つことはできません。 この数字は、ゲームを難しくするためではなく、 プレイヤーに考えることを渡すために置いています。
持ち物に上限がないゲームでは、拾うかどうかを迷いません。 目に入ったものは全部拾えばよく、判断が不要になります。 拾う行為はあっても、選ぶ行為がない状態です。
上限を作ると、ここに比較が生まれます。 いま持っている食料と、目の前にある薬。どちらが今日は価値があるか。 妹の元気が減っているなら薬ですが、 自分の体力が危ないなら、食料を持ち帰らずその場で食べたほうが生き延びられます。 どちらを選んでも、選ばなかった側は失われます。
この「両方は取れない」という形が、いわゆるジレンマです。 ゲームデザインでよく言われるのは、 面白さは選択肢の数ではなく、選択肢どうしが競合しているかどうかで決まる、ということです。 選択肢が10個あっても、全部同時に選べるなら判断は発生しません。 逆に2択でも、片方を取れば片方が消えるなら、そこには判断があります。
枠を3にしたのは、少なすぎず多すぎない数だったからです。 1枠だと選択が単純すぎて、拾うたびに上書きするだけの作業になります。 5枠以上にすると、たいていの場面で全部入ってしまい、上限が無いのとほぼ同じになります。 3枠は「食料3つ」「食料1つと薬1つ」の二択が常に成立する、いちばん小さい数でした。
Tips
うまく帰れないとき、原因は操作の速さよりも方針にあることが多いです。 このゲームで効きやすい考え方を挙げます。
倒す必要のない敵は倒さない。 敵を倒しても持ち帰りは増えません。増えるのは、被弾する機会だけです。 回避はすり抜けなので、戦わずに通り抜ける選択が常にあります。 「倒せる敵」と「倒す価値のある敵」は別だと考えると、道が楽になります。
光ったら回避、が最優先。 近接の魔物は発光してから斬撃を出します。 この予告を見てから動けば間に合う設計なので、 攻撃を入れることより、光を見逃さないことのほうが生存に効きます。 ボスの紫の構えは跳び上がってからの衝撃波なので、こちらはジャンプで越えます。
成長は、いま死んでいる理由に合わせる。 刀・体力・技のどれを伸ばすかは、強いものを選ぶより、 直前の帰り道で何に負けたかで決めるほうが早く効きます。 押し切られて死んだなら刀、事故で削られて死んだなら体力、 間合いに入れずに終わったなら技です。
体力が減ったら、持ち帰りを諦める判断もある。 食料はその場で食べると自分の体力を回復できます。 持ち帰れば妹の元気になりますが、途中で倒れると持ち物は全部失われます。 半分持って帰れるほうが、全部持って帰ろうとして0になるより良い日もあります。
同じ場所で三回死んだら、道順を変える。 薬は住宅街の高い足場にあり、取りに行くには二段ジャンプが要ります。 寄り道せず地上だけを進んでも家には帰れます。 毎回同じ足場で落ちているなら、上手くなろうとするより、 その日は諦めて確実に帰るほうが妹の元気は増えます。